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コンサルティング:アサヒの新規事業開発 「やりたい」という人が集まることが大事

アサヒグループジャパン(AGJ)は、アサヒグループにおいてアサヒビールやアサヒ飲料、アサヒグループ食品などの日本事業を統括している。アサヒグループが抱える課題解決と新規事業開発を目的に、2023年1月、同社内にイノベーション推進組織FCH(Future Creation Headquarters)が設置された。同社のシニア・エグゼクティブ・アドバイザーで、FCHディレクターの松浦学氏に、イノベーション創出・実現のためのデザインファームi.lab(東京・台東)の横田幸信氏、杉江周平氏が、FCHの取り組みや、すでに推進している施策について聞いた。今回は後編。

今回の記事は、アサヒグループ本社で行われたインタビューから構成した

横田幸信氏(以下、横田) 2023年1月にFCHが正式に立ち上がってから、現在進行している施策が15件ほどあると伺いましたが、新規事業やベンチャーとの連携などが多くなっているように見えます。当初はマクロ経済環境であるとか、営業など既存事業の中の課題を話されていたと伺いましたが、そこからどうして新規事業やベンチャーとの連携につながっていったのでしょうか。

i.labの横田幸信氏

松浦学氏(以下、松浦) それが新規事業になるのか、既存事業なのかは、新商品をどうブランディングするかということで変わってきます。勉強会で、例えば健康系で新規事業を考えた場合、ビール、飲料、食品の各事業会社を横断した統一ブランドは必要かという話が出て、それは必要だろうという結論になりました。しかし、統一ブランドを新たにつくっても、それぞれが今までのやり方で小売店や外食店に卸すだけでは、既存事業の中で単なる新商品を出したことにしかなりません。

 でも統一ブランドをつくるときに、お客様にどうお届けして、どういう場面で楽しんでいただくかという根本的なところから考えていくと、これは新規事業になります。新規事業が多いというのはそういった理由です。

 ベンチャーとの連携では、まずベンチャーの経営者は単にアイデアを持っているだけでなく、資金集めもやれば人材採用もやって、マルチタスクという意味でいえば経営者として必要なものを数多く持っています。彼ら彼女らの話を聞くと、みんな感銘を受けますよ。そうすると自分たちの事業に対しても、「あれ?このままでいいのかな」と思い、ここを直すべきだということに気づくことがあります。新規事業のアイデアもたくさん出てきます。

松浦 学(まつうら・まなぶ)氏
アサヒグループジャパン
シニア・エグゼクティブ・アドバイザー、Future Creation Headquartersディレクター
Nice Eze(ナイスエズ)代表取締役社長

ローソンでマーケティングや商品開発などで担い、様々な挑戦を成功に導く。海外法人などの代表を務めた後、ニトリホールディングスの上席執行役員や傘下のホームロジスティクス代表に就任、日本初の取り組みを多数実現し、業界にも大きな影響を与える。ソフトバンクロボティクスExecutive Vice-President、SBロジスティクス Chairmanなどを担い、データやロボティクスなどテクノロジーやマーケティングを活用した経営変革を推進してきた

杉江周平氏(以下、杉江) 当初、部長や本部長クラス20人程度でスタートしたものが、1年後にFCHとして正式にスタートしました。フェーズが上がって正式な組織になったときに変わったことは何でしょう。

i.labの杉江周平氏

約15件のプロジェクトが進行中

松浦 具体的にこういう課題があって、これに取り組みますということを宣言しました。例えばアサヒグループの財産の一つに「Lー92乳酸菌」があり、グループ各社で関連商品を出しています。けれど、以前は統一したブランド展開をしていませんでした。それを統一したらどうなるか。

 各社それぞれで商品を作っているので、バラバラのものを束ねるというのは、マーケティング的には難しいところがあるわけですけど、統一ブランドの一歩手前として、まず統一のマーケティング活動をしたら売り上げ最大化にどれだけ効くのか。全国でマーケティング展開を打ったほうがいいのか。それともローカル単位、リージョン単位で売って、そのときの反応度を見たほうがいいのか。

 我々の商品のポテンシャルは人に見られて、気づいてもらって初めて価値が上がるのだから、CMなどの空中戦ばかりやっていないで、店頭実演販売をやりましょうなどと、具体的な課題を挙げて、そこにメンバーをアサインしていくという形で動きました。

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